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赤勝ち更紗 (シャルル×マリナ) 【R18】

「どうしたんだ、それ。」
あたしがもっていた鉢に目ざとく気づいたシャルルが、不審げに尋ねてきた。
「シャルルが学会で出ているときに、あたし実家に帰ったでしょ?そのとき隣のおばちゃんに会ってもらったの。フランスに帰るまでこのホテルの部屋に置いといて、後はエリナが面倒見てくれるって。アルディ邸に帰るまで長いから、途中で死んじゃったりしたら可哀想でしょ?」
そういってあたしがホテルの机に置いたのは、2匹の金魚が入った金魚鉢。
赤と白の混ざった模様のある金魚なのだ。
「・・・ふん、2匹とも更紗和金か。知ってるか、マリナちゃん?金魚は元々鮒が突然変異を起こして赤くなったものが今まで引き継がれてきてるんだ。茶色や緑などいろいろな色や種類があるが、この色合いが日本人の感性に合っていたんだろうな。こういう赤と白のまだら模様のことを更紗というんだ。」
シャルルがそう説明しながらあたしの後ろに覆いかぶさってきたので、さらさらの長い白金髪があたしの身体を包む。
シャルルのいつも着けている香水の匂いがふわりと立ち上がり、後ろに感じる大きな体躯と相まってあたしはドキドキした。
シャルルは自然にこうして恋人の距離を取るけれど、まだまだあたしは馴染めない。
もう長いこと一緒にいるのに、こうして触れているとときめいてしまうのだ。
「さ、さすがシャルル、金魚のことまで詳しいのねっ。」
あたしが落ち着かない口調で話しているのに気付いているシャルルは、くすっと甘やかに微笑んだ。
「君の故郷の日本に関することだからね。何の気なしに気にしているのかもしれないな。」
シャルルはそういうと、あたしの後ろ越しから金魚鉢を覗き込む。
「この鉢には白いところが多い金魚と赤いところが多い金魚がいるだろ?白いのが多いのが白勝ち更紗、赤いところが多いのは赤勝ち更紗というんだ。」
「っへぇ、そうなんだ。どちらもキレイだけど、あたしは赤勝ち更紗の方が好きかなぁ。なんだか、目がいっちゃうというか・・・。」
シャルルの吐息が耳にかかり、思わず怯んだあたしを楽しげにシャルルは後ろから抱きしめた。
「・・シャルルっ!」
「そうだね、オレも赤勝ち更紗のほうが好きだよ。・・・マリナも、赤勝ち更紗になるといい。」
「へっ?」
あたしが間抜けな声を上げるのと、シャルルがあたしを抱き上げ寝室に向かうのが同時だった。




「は、ぁ、っ、シャルル・・。そんなに強く吸ったら痛いっ、やだ、そんなとこっ・・。」
シャルルの下で捕われたあたしの身体の至る所にシャルルの印が赤く付けられる。
耳の裏、首筋、まろやかな胸、お臍の横、肩甲骨の上、腕、太もも、ふくらはぎ、足の指先。
その合間に、あたしの感じるところを知り尽くしているシャルルの絶え間ない愛撫が加わる。
「・・マリナ、中がとろとろになってる。そうだ、ここも更紗にしてあげるよ。」
艶美に微笑むシャルルがあたしの内股に吸い付くのではなくきゅっと噛みついた。
あたしはびくびくっと背を反らせながら、身体を走った痛みと快楽に溺れた。
「あぁ、シャ、ルルっ、それダメ、こ、こわいっ。あたし、はぁっ!」
自然に湧き出る涙を繊細な指で拭ってくれ、そのままその指はあたしの身体の上をなぞり、あたしの泉から溢れる蜜を撫ぜる。
「マリナ、おいで・・・。」
起き上がりあたしを自分の腰に乗せたシャルルの、逞しい首にあたしは縋り付く。
あたしの体重で落ちる身体に、シャルルが入ってきた。
そのまま身体を揺らすシャルルの唇を、あたしは酸欠になった金魚のように求めた。
「ん、シャルル、シャルル・・。大、好きっ・・!」
「マリナ、マリナっ・・・!」



もつれ合う身体。
絡まる吐息。
2人の歓喜と想いを乗せて。
シャルルがあたしの中で達したと同時にあたしも上り詰めた。




金魚鉢の中で泳いでいる更紗の金魚たち。
あたしの全身に浮かぶ赤い模様は、シャルルによって催された赤勝ち更紗。
シャルルの付けた証。




消えなければいいのに。




Fin


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白勝ち更紗 (※掲示板より移動)


流れ落ちるシャワーの中で緩く頭を振り、顔をぐいっと拭いあげる。
このホテルの風呂はそんなに広くはないが、オレの体に合うところに物が置いてあるので使いやすい。

今はベッドで眠りの住人のマリナにはさぞ使いづらいだろう。



その様子を想像すると、自然に口角が上がる。
風呂場を出てすぐの姿見を見ると、白く浮かび上がるオレの体が映る。
ふと見ると、鎖骨のあたりに赤い跡が残っている。
感極まったマリナが噛みついた跡だ。
クスクスと笑いながら、その跡をそっとなぞるオレが鏡越しに見える。



マリナが赤勝ち更紗なら。
オレは差し詰め白勝ち更紗か。
マリナがオレに付けた証。




消えなければいいのに。





Fin



☆『LPD地下別館~Porte au ciel』 ぷるぷるさま主催

“とろけるほど愛してる~シャルマリFestival de l'été”

2013年参加創作 お題 【金魚】 より

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☆下記は追記SSです☆



金魚の秘め事


ふと目を覚ますと、まだ夜の闇の中だった。
仄かに照らされているスタンドの灯りに導かれ、今自分がどういう状況なのか認識する。
シャルルの逞しい体躯に後ろから抱え込まれるように包まれて眠っていたようだ。
あたしの身体はさらさらとしていて、シャルルが丁寧に拭ってくれたようだった。
身体に巻きつくシャルルの腕が心地いい。
シャルルと一緒に眠るとき、シャルルはあたしを腕に囲む。
まるで逃がさない、とでもいうかのように。

逃げたりしないのに。
あたしの全身に付けられた所有の証。
シャルルの首筋に付けてしまった所有の証。
消えてしまっても・・・。何度でも何度でもまた刻むあたしたちだけの秘め事。


シャルルがあたしに刻むたびに、あたしは金魚の息継ぎのようにシャルルに秘かに呟くの。


『離さないで・・・。』


あたしは顔を斜めに向けて深く眠るシャルルの唇に、静かに口付けた。


Fin
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