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白薔薇を君に (シャルル×マリナ)

「はぁ~美味しい。念願のリンゴ食べれて嬉しいわ」
久しぶりの自分の部屋のベッドに寄りかかりシャクシャクと林檎を食べるあたしに、ベッド脇の椅子に座っていたシャルルが溜め息を吐く。
「風邪とはいえ40度を超す熱が出たあとにすぐ食欲が出てくるあたり、さすがマリナだと思うよ。つくづくその身体を解剖したい」
「ちょっと、冗談に聞こえないわよ!いつぞやの解剖承諾書にサインを強要してきたときと同じ顔してるから!」
あれからもう長い年月が経っているのに、もうやだこの鑑定医!恋人までそんな瞳で見ないで!
「それよりもう少し何か食べたいのよ。口当たりのいいものないかしら?」
さすがにまだ普通の食事を要求する体調ではないけど(シャルルがまず許さないし)、でも何か欲しいわ…。
「しょうがないな。じゃあ桃を持ってこさせよう」
内線電話でシャルルに告げられたメイドさんが皮を剥いて一口大に切ってくれた桃を持ってきてくれたので食べると、桃の甘さが体に染みわたっていくよう。
「今はそれだけにしておいで。このまま回復していくようなら消化のいいものから始めていくから」
「はーい」
ここで刃向うと食事抜きにされそうだから素直に返事しておくわ。くわばらくわばら。
「桃かぁ…。確か薫が好きなのよね。久しぶりに逢いたいわ」
憂いを帯びた三白眼の彼女を思い出すと、自然にあの人の姿も浮かぶ。
「薫の兄上が死んだら風にかえる、って書いた手紙のフレーズがすごく印象的でね、今でも覚えてるわ。そういえばアルディ家では薔薇に還るんだったわよね?」
「ああ、そうだ」
「じゃああたしもそうなるのかしら?薔薇って柄じゃない気がするから怒られそうよねー」
何気なくあたしがそう言うと、一瞬目を瞠ったシャルルが次には微笑みを浮かべてあたしの手からフォークを取り上げ、桃を食べさせてくれた。
首を傾げつつ桃を食べていると、シャルルは傍にあった花瓶から白薔薇を取り出してあたしに差し出してきた。
「何?どうしたの?」
「…一緒にここで過ごしてくれるんだろ?プロポーズありがとう、マリナちゃん?」

白薔薇の花言葉
『私はあなたに相応しい』


Fin

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