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ちょっとそこまで (美女丸×マリナ)

「え、マリナちゃん?さっき会ったよぉ。んーとね、あの木の枝の所にうちのユズが登って降りられなくなっちゃったの。まだ子猫だから。マリナちゃん、それ見て木登りしようとして滑り落ちてお尻打っちゃったから、ボクが登って下でマリナちゃんにユズを受け取ってもらったの。え、ボクえらい?えへへ、弾上の若様ありがとお。でもマリナちゃんも助けてくれたから、一緒に遠足の見学でもらったポテチ食べたの。あたし、散歩の途中だからってそのまま歩いて行っちゃったよ」

「あらまぁ、弾上の若様、こんにちは。あらやだよ、こんな婆に丁寧な挨拶してくれて。ああ、あのちんまいマリナちゃんなら、うちのピーちゃんに持ってたポテトチップス砕いてくれたねぇ。ピーちゃんと一緒に食べようとするから、買ってきた豆大福あげたら、頬張ったほっぺたが大福みたいになって笑っちゃったよ。え、餌付けするなって?ついついねぇ、あらやだ、眉間にそんなにシワ寄せちゃぁいい男が台無しだよ」

「おっ、弾上の若さん、またいい着物着てるねぇ。マリナを見なかったかって?ああ、あの娘なら、うちの婆ちゃんと縁側座って大福食ってたぜ。爺ちゃんの見舞いに行こうとする婆ちゃんに付いて行ってくれるって言って病院へ向かったけど。…あれ、そういえば今日って大事な日じゃなかったのかい?」

「うちのと一緒に見舞いに来てくれたあの子かい?花瓶の水を替えに行ってくれてるよ。見てくれは素朴な子だけど、あの娘は根性あるねぇ。大きい花瓶だから危ないっつってんのに行っちまったよ。…ちょっと若さん、見てきてやり…あ、行った」

「あ、あ、あ、…っび、美女丸!?あんたちょうどいい所に来てくれたわっ。もう少しで花瓶割るところだったわよ。
…ちょっと美女丸、なんでそんな今にも血管切れそうな顔してんの?お医者さんに診てもらう?今何時かわかってるのかって?始まるのは11時からだったで…、え、10時からだっけ?もううちの家族も来て、いっいやあああ担ぎ上げないで食べたもの出るもったいない!」
「悪い、佐藤さん。こいつ連れて帰るから、帰りタクシーに乗ってくれ。もう手配してあるから」
「あたしのことは心配しないでいいから、早く帰っておやり。祝いのときにすまなかったね」

「弾上の若さんに悪いことしちまったねぇ。これから結納だってのに、マリナちゃんったら大丈夫って言い張って付いて来てくれたけど…」

「美女丸、ごめんってばー。緊張をほぐすための散歩だったのよ…ぎゃあ痛い痛いせっかくのセットが乱れるじゃないのよ…ごめんなさいもうしゃべりません」
「何もかも済んだら、覚えておけよ。手打ちにしてやる」
「ああ、もうすぐ着きますよ。お二人とも、本日はおめでとうございます」
「ありがとうございますー。ほら美女丸もそんなにブスッとしてないでさぁ。せっかくお祝い言ってもらえたんだし、間に合ったんだしいいじゃないイテテテ」
「もうしゃべりませんって言った口はこれか…。塞いでやる」
「イーヤーこんな所で何すんのよぉぉ…ムグッ!」


「何にせよ、幸せそうで何よりだね…。お代はいいですよ、弾上の若さん頑張ってくださいね」


Fin


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2017/01/20 (Fri) 22:53 | # | | 編集

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